2019年理事長所信

2019年度 一般社団法人 飯田青年会議所 理事長所信

一般社団法人 飯田青年会議所
理事長 永井 洋平

スローガン
南信州の志士となれ

はじめに
利他と利己の狭間で我々は生きている。他者への貢献のみで、自身の豊かさがなくても良いのか。自身の豊かさのみで、他者のことを考えなくて良いのか。これは、「己」をどう捉えるかによって見方が変わる。例えば近年、長期に渡る景気低迷により、国の利益を優先する政治がグローバル社会を騒がせた。意思決定をしたリーダーは国際社会において利己的と言われるが、国民の生活を守るという利他もそこには存在する。つまり「己」の次元を上げることにより利己は利他を兼ね備えていくと言える。一方で、2015年に国連が提唱した「持続可能な開発目標、SDGs」では、経済発展を成し得ながら、地球環境を守りつつ、全ての人の平等性を確保するという方針が示されている。未来を考えるにあたり、自然、文化、経済という3つの観点で開発することで、持続可能なまちとなることが示されている。
南信州は2027年に、中央自動車道開通以来52年ぶりとなる、地域外と結ばれる交通手段の大きな変革を迎える。既に広大な山々に囲まれた豊かな大自然と、互いを想い助け合う文化を持つこのまちは、リニア時代による経済面での成長も見込まれる。この3つの観点において可能性を秘めている南信州に生きる我々は、「己」をどこまでと考えているだろうか。
このまちのリーダーは南信州を「己」と捉え、未来の可能性を信じ、変化を起こしていく大胆な発想力と諦めない行動力を持って、守るべきを守り、変えるべきを変える決断をしなければならない。それは、58年の歴史を持つ我々飯田青年会議所が得意とするところである。飯田青年会議所は、南信州への奉仕を行う中で、自らを成長させようと修練し、その過程においてのみ得ることのできる友情を育もうという、古き良き信条を守る、志高き青年の集いだ。また、常に新たな世代と入れ替わり続けるという特徴を持ち合わせた団体でもある。伝統を継承することで揺らぐことのない信念を貫きつつ、毎年改まる組織でこのまちのために革新を起こす。そのために全力を尽くす青年会議所こそが、このまちの未来を切り拓く使命を帯びている。人々が憧れ注目する、美しく魅力に溢れたまちを目指し、本年度の活動を展開する。

基本方針
1.リニア時代の希望
2.まちぐるみまちづくり
3.飯田JCここにあり
4.誇り高きJAYCEE
5.同志を募る

1.リニア時代の希望
自然を守り、分け隔てなく互いを尊重し合いつつ、経済発展も実現する未来の南信州。その実現のためには、自然を保護し文化を受け継ぎながら、リニア中央新幹線と三遠南信自動車道の開通がもたらす人と物の流れの変化を、収益に結び付ける経済発展が必要である。これは、このまちの現状に責任を持つべき我々大人世代が成し遂げるのだ。そしてその姿を、リニア時代に社会で活躍し始める若者世代に示し、共に未来を考えることで、自分達が住みたいまちを実現するのだと意欲を沸かせる必要がある。
そこで本年度、若者世代がこのまちに希望を抱く機会を創る。まずは、リニア時代がもたらす経済発展について我々が見聞を広げ、若者がこのまちで暮らしていけると思えるための情報を集める。また、人々の暮らしに宿る文化的魅力を追求することで、このまちで暮らしていきたいと思えるための材料を整える。その上で若者と接点を持ち、南信州が、人々が憧れ注目する、美しく魅力に溢れたまちとなる可能性を示すことで、このまちの未来に希望を抱く気運を高める。若者世代が南信州に魅力を感じ、「帰郷しよう」「ここで一生暮らしていこう」と思える活気溢れるまちの実現に繋げる。

2.まちぐるみまちづくり
青少年世代は、将来の可能性に溢れている。そんな青少年達が、同じまちに住む大人達によって育まれる機会となる青少年育成事業は、彼らの成長を促す有意義な取り組みである。7年前に飯田青年会議所の活動として誕生した「南信州お仕事キッズタウン」は、多くの青少年が毎年の開催を心待ちにする事業にまで成長してきた。それは、地域により主体的に運営される運動へと昇華することを目指し設立された組織「南信州青少年育成プロジェクト」による功績も大きく、事業に関係する大人の数も飛躍的に増加した。この事業が与える良い影響をまち全体へと広げるための次なるステップは、関係者との連携を引き続き強めつつ、協力してくださる企業に、明確な成果と達成感を得る事業であることを実感していただくことだと考える。
そこで本年度、キッズタウンに関係する企業に、この事業に関わる意義を感じていただく。まず、企業と共に開催目的を再認識し、目指すべき成果への思慮を深める。そして、青少年に伝えたい想いを明確にし、想いに沿った関わり方となるよう共に考える。その上で、事業参加後の効果を検証する仕組みを構築することにより、企業の達成感を顕在化する。これらにより、企業がキッズタウンに対して確かな価値を見出すことで、活動から運動へ進む更なる一歩とする。

3.飯田JCここにあり
様々な情報が錯綜する現代社会は、人々に確かな情報を掴み判断することを困難にさせている。受信者に伝わる明確な情報発信をすることで、社会的信頼を失うリスクを回避し、活動に集中できるのである。我々飯田青年会議所には、伝統を重んじながら革新を繰り返し、積み重ねてきた多大な実績がある。そこに新たな革新に対する熱意を加えた情報を発信することで、飯田青年会議所の情報を求める方々が正しく理解していただけるようなプラットホームを確立すべきと考える。
そこで本年度、飯田青年会議所が南信州の人々から信頼を得る組織であることを広く明確に示す。まずは、社会からの組織の認知をあらためて認識し、組織内部においてもその事実を確かめる。そして、社会が求めている情報に対し、組織の見解をまとめ、適切な媒体で伝えていく。その上で、組織の信頼を得るために訴求する内容と方法を検討し、それを効果的な手段で広報する状態を創り上げる。また、結果を検証し改良し続ける体制を整えることで、継続的に組織の信頼度を維持していく。

4.誇り高きJAYCEE
飯田青年会議所は58年に渡り、このまちの未来のために活動してきた。南信州の新たな可能性を見出し具現化し続けてきた実績は、今もなおこのまちを照らしている。また、飯田青年会議所が輩出してきたリーダー達は、卒業後もまちのために尽力されている。創立60周年を翌年に控え、新たな歩みを進めようとする今、我々は脈々と受け継がれてきた魂を心から理解し、自分のものとしなければならない。
そこで本年度、飯田青年会議所に所属するJAYCEEとしての誇りを確かなものとする。まずは、創始から50周年までの歩みを振り返り、受け継がれてきた魂を過去の事業と共にメンバーが吸収する。そして、信条として新たに策定された(一社)飯田青年会議所クレドと、クレド実現のための一歩として策定された三つの心得に込められた想いを理解し、近年の活動を顧みて、次への道筋を検討する。これらを通じて、次なる10年へと突き進むべく、飯田青年会議所メンバーとして活動する誇りを確かなものとする。

5.同志を募る
人の役に立ちたい、目標を達成したいという欲求があるからこそ、我々は成長する。今の自分では不可能なことをできるようになるために、自ら進んで努力をすることができる。そして、成長しようとする存在が集まりチームを組むことで、一人では成し得ない成果をあげる。各々が担う役割を全うする中で成長しながら、本気で付き合う仲間と達成感を共有する喜びを感じることができる。人生で最も力がみなぎる青年期を、このように充実した時間にしよう。飯田青年会議所にはその場がある。
本年度、飯田青年会議所に所属する価値に対し、このまちの青年達の共感を得ることで仲間を増やす。我々が開催する事業への参加を積極的に促し、活動の意義に触れることで、成長したいという意志を触発する。また、事業を考案し作り込む過程で、チームが楽しみながら一丸となって大きな目標に向かう空気を感じることで、所属したいという意欲を沸き立てる。メンバーの活き活きとした表情と諦めず取り組む姿で青年達の心をつかみ、新たな仲間を増やすことに繋げる。